宮城県気仙沼市の角星店舗(国登録有形文化財・気仙沼市指定文化財)の保存修理事業を行った。気仙沼の老舗造り酒屋の店舗であった本建物は、平成23年3月11日の東日本大震災の津波により流され、木造2階建ての1階部分が流失し2階部分が数十メートル先に漂着した。
保存修理事業は、国内外の復興支援金、補助金等を活用し、地域の復興まちづくり組織である「(一社)団法人気仙沼風待ち復興検討会」が主体となり行われた。
復原工事の設計は、市、県の文化財担当及び、文化庁との調整を図りつつ、文化財としての価値を保存しながら気仙沼港周辺の復興のシンボルとしての活用を目標として進めた。全解体、組立工事を行う過程で、被災後、周辺から発見された部材を含め、極力既存材を再利用し、意匠的にも被災前の姿の復原に努めた。